ウーロン茶が気ままに楽曲を語る

私の興味のある楽曲について、思うことを自由に書いていきます。

麻倉もも「Run for you」のコード進行などを語る

Run for you / 麻倉もも

作曲:山田祐輔 作詞:Mahiro 編曲:山田祐輔

 

本記事では、前回と同様に麻倉もも1stアルバム「Peachy!」より、こちらの曲を取り上げます。

 

 

Peachy!(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)

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概要

2018年10月3日発売の麻倉もも1stアルバム「Peachy!」に新規で収録されている曲のうちの1つです。

 

曲のキーはEです。間奏で一瞬Gに転調します。

「アルバムの表題ではない新規曲として収録される感じ」がどことなく漂っているように感じます。分かりやすいながらもところどころ変化をつけて、特定の人のツボを押さえるような感じでしょうか。この曲ではセブンスやsus4が多用されており聞き取るのに苦労しました。

作曲の山田祐輔さんは初めて目にしましたが、同じTrySailのメンバーである雨宮天さんの「Fleeting Dream」などをかいているようです。残念ながらまだ雨宮天さんのソロ曲はほとんど追えていないのですが、視聴で聞いてみたところ"雨宮天らしさ"の出るいい曲だなあと感じました。2曲に共通することですが、ストリングスが特徴的に挟まれており印象的です。

 

 

イントロ

 AM7 B|G#m7 C#m|F#m7 Bsus4|EM7 E7|

A#m7-5 Adim|E/G# Gdim|F#m7|Bsus4|

 王道進行からツーファイブを挟んでIに戻ってくるという流れ自体は、今現在で最も使われている進行と言ってもよいでしょう。

ただ、VがVsus4になっており、次のIM7-I7にかけてE-D#-Dという下降ラインを作っているあたりが聞いていて気持ちいいです。最も、ここ以外でもこの曲ではBsus4が連発する印象ですが・・・

後半はIV#m7-5から半音ずつ下がってくるクリシェ系の進行で王道進行の代替などとしてよく使われますが、Adim(IVdim)は珍しいように感じます。通常はクリシェをしっかり意識したIVM7あたりが多い印象です。

 

Aメロ

E/G#|A|Bsus4|C#m|AM7|E/G#|F#m7|B7sus4(9)|

E/G#|A|Bsus4 Cdim|C#m|AM7|E/G#|F#m7 Bsus4|E E9|

I-IV-V-VImの進行は最も基本的な進行のうちの1つで、他には最後のVImを単純にIとしたパターンもよく見られます。 最初のI/IIIは2回目のみというパターンが多い印象で、私はそちらの方が好きです。

後半4小節部もよくある進行ですが、最後に9thのテンションが入っています。オシャレな雰囲気というよりは次への期待感を募らせるような印象を受けます。

 

Bメロ

AM7|B|G#m7|C#|F#m7|F#7/A#|Bsus4|B|

この曲を通して一番普通の進行です。

 

サビ

E|B/D# G#7/B#|C#m|Bm7 E|AM7 B|G#m7 C#m|F#m|C D|

E|B/D# G#7/B#|C#m|Bm7 E|A#m7-5|Adim|E/G#|C#|

F#m E/G#|A E/G#|F#m7 FM7|E|

 最初8小節の骨格は、カノン進行から王道進行、ツーファイブへと流れていく、イントロの進行と並んで今最も使われている進行でしょう。2,4小節目にいわゆるセカンダリドミナント*1がおかれている形です。8小節目はVIb-VIIbで*2、たまにIの前に置かれるもの。

13-16小節目はイントロで使われていた進行の最後をC#に置き換えただけ。

最後はFM7が珍しく、B7の裏*3を使うならF7になりますが、ミの音を保持したい意図からでしょうか?ともかく、このような細かい変化があるのは聞いていて楽しくなっていいですね。

 

間奏~2番サビ

基本的に1番と同じです。

 

間奏

A|B|G#m|C#m|F#m7|G#|C#m|C#|

C|D/C|Bm|E|A7|A7|Esus4/B|E/B|B|B|

 前半8小節から後半は短3度上のGに一瞬転調。帰りはコードを引き延ばすことでゆるやかにEに戻ってきます。境目はパッとしません。EやA7をキーのコードにしてうまく転調しています。

 

ラスサビ

特に今までのサビと変化はありません。

 

アウトロ

AM7 B|G#m7 C#m|F#m7 Bsus4|EM7 E7|

A#m7-5 Adim|E/G# Gdim|F#m7|F#m7|

Bsus4|Bsus4|CM7 FM7|E|

 基本イントロと同じですが、最後はしっかり終わりに向かいます。

CM7-FM7-Eはどう解釈すべきでしょうか?どちらもV(B)の代理やクッションに使われがちなコードではありますが、今後の課題としましょう・・・。

 

 

まとめ

今回は麻倉もも「Run for you」を取り上げました。

ところどころで細かい工夫が見られ、ある意味で耳コピ泣かせな曲ではあります。

爽やかなサウンドに歌詞が非常にマッチしており、曲としての完成度の高さを感じます。冒頭でも述べましたが、やはりストリングスが効果的に使われているのが印象的ですね。

 

 

次回更新予定

次回は10/17(水)発売予定の水瀬いのり6thシングルより「TRUST IN ETERNITY」を予定しています。10/19(金)までには更新する予定です。

→更新しました。ぜひこちらもご覧ください。

wooooolong-tea.hatenablog.com

 

 

更新履歴

2018/10/11 記事投稿

2018/10/19 一部文章変更

 

*1:I(このキーならE)以外に対して考えるドミナントのこと。例えば、3小節目のC#mに対するドミナントとしておかれる2小節目のG#7です。おそらく厳密には4小節目のEはE7にならないとセカンダリドミナントとは呼ばないと思われますが、まあ細かいことは気にしません。意味は同じなので。

*2:面倒なので♭(フラット)をb(半角英字のビー)で表記しています

*3:Vの裏はIIb